TUNING

コンディションをよくみてセッティングしたつもりでも、うまくセイリングできないことがある。そのような時は早々に浜に戻りチューニングをして欲しい。
体で感じたその時のコンディションでセイルのダウン、アウト、ブーム高、フットベルト、ボードのジョイント位置、フィンサイズ等を変えてみてベストな状態が見つかるまで試すことをお勧めします。

バテンテンション

バテンテンションはバテン位置によって違う。
特に上から1−3本のバテン(6本バテンのセイルは上から1−2)絶対にテンションをかけてベントさせてはいけない。これらのバテンはセイリング中ツイストして風を逃がすようなっている。テンションをかけてベントしてしまうと風が溜まり、トップが重たいセイルになってしまう。ブーム上下のバテンはドラフトが動かないように強くかける。但し、あまり強くかけるとポケット破損の原因になるので注意が必要。

ブームの高さ

ブームを取り付ける位置は基本的にコンディションやジョイント位置によって変えるのだが、スリーブ全体を10とすると下から数えて4以上で取り付けることを勧める。(但し、セイルによってスリーブカットの場所が違う為注意が必要)。 ブーム高の決定に身長を第一の要因にする必要はない。ブーム高が低いとセイルが重たくなり、軽くするためにダウンを強く引くことになる。よって固いセイルに仕上がってしまう。

2種類のセイルオーバーコンデションへの対応

オーバーコンディション:
強いブローがセイルに入りセイルのパワーポイントが後ろに動いてブーム手が開きセイル全体が風下側に持って行かれる。

対処法
【カム付きセイル】
ダウン:引いてセイルをツイストさせ余分なカゼを逃がす。
アウト:基本的にはゼロからマイナス。セイルによってはプラスにすることもある。

【ノーカムセイル】
ダウン:ダウンを引いてセイルをツイストさせ余分なカゼを逃がす。
アウト:ダウンを引いたことでツイスト量が増え、コントロールが回復すればマイナスでもゼロでもプラスでもいい。

裏カゼによるオーバーコンディション:
強いブローがセイルに入りマスト手が突然重たくなってマストを維持することが大変で、重心も前足側に移動させられコントロールが極端に悪くなる。これらはセイルに裏カゼが入ったことで起こる。


対処法
【カム付きセイル】
カムを両手で下から押して簡単に返るようならば裏カゼが入る原因になる。カムにスペーサーを入れて当たりを強くし、両手で下から強く押してカクッと返る位にする。それからアウトを引く(1−2cm)ことで裏カゼを止めることができる。

【ノーカムセイル】
ダウンを引き、アウトも引く(1-2cm)。 ダウンだけで裏カゼをとめることはむずかしい。

パワーを得るチューニングとパワーを抑えるチューニング

仮にあなたが2つの違うサイズのセイル(A5.0u, B6.0u)で同時にセイリングした場合。

A 5.0u
アンダーですかすかし、時々しかプレーニングに入れない。

対応:パワーを得るチューニングが必要
・ジョイント位置を1cm手前に。(それにあわせてブームを少し下げる)
・ダウンテンションを5mm緩める。
・アウトを5mm−1cm緩める(ノーカムセイル)。
・フットベルトを引く。
・アウトのグロメットの上(リーチにパワーを持たせる)を使用する。
・フィンサイズを2cm大きくする。
以上のことを試してそれでもアンダーであればボードサイズを大きくするか、セイルサイズを大きくする。

B 6.0u
完プレできるが時々風がつよくセイルが開くことがある。


対応:パワーを抑えるチューニングが必要
・ダウンを5mm引く。
・アウトを引く(ノーカムセイル)
・ジョイント位置を1cm前にする。(それにあわせてブームを少し上げる)
・フットベルトがあれば少し緩める。
・アウトのグロメットの下(リーチを開きやすくする)を使用する。

オーバーだからとダウンをどんどん引いていくとセイルが硬くなり逆にボードが暴れてしまう。
ダウンを緩めるとボードが跳ねなくなりセイリングしやすくなることもある。
硬いセイルはパワーのあるプロセイラーには有効だが、一般セイラーには不向きだ。しなやかなセイルをチューニングする必要がある。

●ダウンテンション

ダウンの表記を参考にして最初のセッテイングを行う。表記は絶対的なものでなくボード、フィン、風速、海面コンディション、水温、セイラーのパワーによって変える必要がある。

●アウトテンション

ノーカムセイルはプラスからゼロでチューニングする。ダウンテンションと連動するので常にチューニングし、ベストポジションを見つけるようにする。

ライトウインドのセイルチューニング

一般的にカム付きセイルはアウトを引かずダウンとフットベルト、アウトグロメット(上下に2個ついているタイプ)でパワーのコントロールをする。 
ライトウィンド時は浅いフォイルとタイトなリーチで走り出しとガスティなコンディション下でのセイルパワーを高めてくれる。ダウンを通常より若干緩め、アウトを1ー2cm引くことでリーチのテンションを強める。一見深いフォイルは走り出しに有効に見えるが実際には深いフォイルが風の流れを止めてしまい、走り出しを悪くする。タイトなリーチはパンピングにも適し、通常より緩めのダウンテンションでマストのしなりを良くして走り出しのパワーを得ることができる。

ブームの高さとジョイント位置の関係

いままで低い位置に付けていた人が高い位置に変えた場合、そのままではセイリングしにくい。ジョイントを前にすることで低い時と同じブーム高をキープできる。ジョイント位置をコンディションにあわせて移動する時はブーム高もあわせて移動する。常に自分が慣れているブームの高さをキープしてセイリングすることが必要だ。

ボード

ボードコントロールはジョイント位置、フィンサイズ、フットストラップ位置によって大きく変化し、セイルコントロールにも影響を与える。

ジョイント位置

ジョイント位置はボードをコントロールするうえで重要だ。
それは、ボードのパワーを得る、抑える。フィンのグリップを良くしたり、抑えるたりする。 ボードサイズ、フィンサイズ、セイルサイズ、海面コンディションで変える事が必要だ。
例えば、特にオーバーなコンデションでフィンサイズを小さくしたときはジョイント位置を"必ず"手前にする。そのままの位置でセイリングするとグリップが悪く上り性能が落ちてしまう。海面が荒れていても手前にすることでフィンパワーが増し、安定したセイリングができる。

例・・・ノーズが跳ねる→ジョイントを前に、 ノーズが海面にささりそう→ジョイントを後ろに

【ジョイント位置を前に移動すると】



*ノーズが沈みオーバーコンディション時のノーズの跳ね上がりを抑える方法として有効だが、そのまま前に移動していくと最後はノーズが海面に刺さる。

【ジョイント位置を後ろに移動すると】


*ノーズが浮いてスピードを出しやすくなるが、徐々にノーズが左右にぶれるようになり、最後はボードがぶれながら跳ね上がりコントロール不能になる。

ボード編<フットストラップ位置>

フットストラップ位置はボードコントロールとジャイブ性能を考慮して決定すべきだ。
前足は男女を問わず、できるだけ前の方がジャイブがよくなる。踏み込んだときにノーズよりのレイルが入る為、体重の軽い人ほど前にすべきだ。後ろ足はできるだけ後ろの方がいい。フィンに近いところでおさえることでボードコントロールが良くなる。前も後ろも内側を使うと強風時に弱くなり、ジャイブでもノーズが上がり失速しやすいボードになる。